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仮想通貨 「秘密鍵」は死んでもとられるな

『ブロックチェーン入門』森川夢佑斗氏に聞く①

■「ホットウォレット」か「コールドウォレット」かの議論はあまり意味がない

 

 もう1つコインチェックが「ホットウォレット」で盗まれたネムを管理していたことも問題になりました。これの対にあたるのが「コールドウォレット」。

「ホット」か「コールド」かは単純に「オンライン」か「オフライン」かの違いです。

 オンラインに置いておくことで、確かにインターネットを通じて攻撃される可能性をはらみます。一般論として取引所は、多くのユーザーの通貨を大量に保有しているのがハッカーに丸わかりなので、ホットウォレットに多額を置いておくべきではない。置くにしろ、ウォレット1つに全てを入れるのではなく、3つか、4つに小分けにしていれば被害は小さくできた、ということは言えます。

 しかしオフラインであっても、秘密鍵の文字列を何らかの手段によってコピーされてしまえば終わりです。

 結局、取引所に仮想通貨を預けるということは、「秘密鍵」のコントロール権も預けてしまうこと。そのリスクこそ、ユーザーが今回の1件で一番学ぶべきことで、「ホットウォレット」か「コールドウォレット」かは枝葉です。(後編:ネム「580億円」はハッカーから取り戻せるか?に続く)

 

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森川 夢佑斗

もりかわ むうと

京都大学在学中にAltaApps株式会社を創業し、仮想通貨のウォレットアプリ開発やブロックチェーンに係るコンサルティングを行う。現在は、株式会社Gincoの代表取締役として、仮想通貨時代の新たな銀行の構築を目指す。著書に『ブロックチェーン入門』(ベスト新書)、『一冊でまるわかり暗号通貨2016~2017』(幻冬舎)など。


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  • 2017.05.09